新着情報
2018 / 06 / 25 00:00
補足資料を追加しました
2018年6月7日 の日本経済新聞『十字路』に掲載された
「ポピュリズムを侮るな」について、補足資料を追加しました。
詳細はhttp://nier.co.jp/free/libraryをご覧下さい。
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2018 / 06 / 08 07:00
新聞掲載情報
2018年6月7日 日本経済新聞『十字路』
『ポピュリズムを侮るな』
ポピュリズムの台頭は、エリート層による統治の長期にわたる失政に起因する。経済の活力が構造的に失われた結果といってもよい。これまでの半世紀を振り返ってみると、家計所得が伸びなかったことが最大の問題である。
米国の実質賃金を製造業労働者の時給でみると、1970年以降、ほぼ半世紀にわたって横ばいである。(年率0.1%)。実質国内総生産(GDP)は2.8%、消費は3.0%伸びている。賃金が伸びないなかで、GDPを上回って消費が伸びたのはマネーの持続的な増加によって、住宅ローンや消費者ローンが増え、他方で住宅価格や株価の上昇による資産効果が大きかったからである。
このバブル的な経済の成長は、2つの面で限界を迎えようとしている。1つは、資産バブルの行き過ぎである。富裕層に限られているとはいえ、家計資産は可処分所得の6.7倍にも達している。
もう1つは、債務の増大である。米国の債務は、1970年のGDP比147%から、2008年には380%まで上昇し、その後、直近の347%まで低下したものの、異常に高いままだ。また、長期にわたるマネーの増大は、ドル安を通じて、米国からの資本流出を促しただけでなく、新興国が大胆な金融緩和政策を採ることを可能にし、その成長を加速させてきた。中国がその典型である。
米国の金融正常化は、すでにスタートして2年半が経っているが、着実にファンダメンタルズの弱い新興国や企業の資金繰りを悪化させている。トルコやアルゼンチンの通貨下落や金利の急上昇だけでなく、中国でも社債のデフォルトが増え始めている。
過剰債務が世界中にはびこるなかで、ドル不足は着実に進行してきている。ポピュリズムの火はますます拡がって行くだろう。
2018 / 05 / 07 17:00
補足資料を追加しました
2018年4月25日 の日本経済新聞『十字路』に掲載された
「金融の正常化」について、補足資料を追加しました。
詳細はhttp://nier.co.jp/free/libraryをご覧下さい。
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2018 / 04 / 26 07:00
新聞掲載情報
2018年4月25日 日本経済新聞『十字路』
『金融の正常化』
金融の正常化は過剰債務の削減を促す。超金融緩和政策の下で、膨大な債務が積み上がり、経済の規模からしても、企業収益や家計所得に比しても大きくなり過ぎたからである。金利が上昇してくると、借り手は金利負担に耐え切れず、その活動の縮小を余儀なくされ、不況が訪れる。
異常な金融政策の是正に動いているのは、米国だけでなく、中国もそうである。これが不況に向けての引き金になるとしても、これ以上、現状を引き延ばし、問題を拡大することは許されない、という決意である。この観点からすると、成長率やインフレが加速しようと、減速しようと、正常化の方向が変わることはない。株価が下落しても、銀行が倒産しようとしても、である。また不況化が進んでも、容易に利下げに向かうこともない。
FED(連邦準備制度)の利上げを受けて短期金利は上昇してきているが、10年債利回りが3%程度でもみあっているのは、先行きの経済の見通しが悪化してきているからだ。これを企業業績の当面の好調さと合わせて「適温相場」と楽観視するのは、「ニューノーマル」時代への認識が欠けている。例えば、長短金利差の縮小は、銀行の収益力の悪化を示すだけでなく、その貸出意欲の低下をもたらすのである。
1980年代初頭からの金融緩和政策は債務を異常に増大させ、これが限界にきたのが住宅バブルの崩壊で、リーマン・ショックを引き起こした。問題は、このショックに対する処方箋として、より異常な緩和政策で2010年代の経済を支えてきたことだ。
これが再度、限界にきた状況での「ニューノーマル」時代だ、と捉えると、我が国には、こういった危機感が全くない。残念ながら、企業も家計も、自助努力でリスクに備えるしかないのである。
2018 / 03 / 28 10:00
補足資料を追加しました
2018年3月20日 の日本経済新聞『十字路』に掲載された
「減税効果と金利上昇効果」について、補足資料を追加しました。
詳細はhttp://nier.co.jp/free/libraryをご覧下さい。
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